パテントリンケージ制度:台湾製薬市場における特許紛争の仕組み

パテントリンケージ制度:台湾製薬市場における特許紛争の仕組み

近年の台湾市場は、急速な高齢化と医療技術の高度化を背景に、アジアにおける重要なヘルスケア市場としての地位を確立しています。多くの日本企業が台湾への医薬品輸出や現地法人設立を通じてビジネスを展開していますが、台湾における医薬品ビジネスの法的環境は、民国106年(西暦2017年)末の法改正(民国108年〔西暦2019年〕8月20日施行)により大きく変わりました。それがパテントリンケージ制度(西藥專利連結制度)の導入です。

パテントリンケージ制度は、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の承認審査プロセスと、先発医薬品(新薬)の特許権保護を法的に連携させる仕組みです。米国や韓国、カナダなどで採用されている制度をモデルとしています。日本でも後発医薬品の承認申請時に特許関係の確認は行われていますが、台湾の制度は法律に基づく承認の自動停止期間やジェネリック医薬品への独占販売期間という、日本法には存在しない強力なメカニズムを持っています。

台湾でビジネスを行う日本の製薬企業やバイオテクノロジー企業にとって、この制度の理解は単なるコンプライアンスの問題ではありません。自社製品のライフサイクルマネジメント(LCM)や市場独占権の維持、あるいは後発参入のタイミングを見極めるための経営戦略上の最重要課題と言えます。

本記事では、台湾の改正薬事法に基づくパテントリンケージ制度の全貌を、日本法との比較を交えながら網羅的に解説し、最新の裁判例や実務上の留意点について詳述します。

台湾パテントリンケージ制度導入の背景と法的根拠

台湾におけるパテントリンケージ制度の導入は、台湾政府が推進する国際的な通商戦略と密接に関連しています。かつて台湾では、医薬品の製造販売承認(薬事行政)と特許権の保護(知財行政)は、それぞれ衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)と経済部知的財産局(TIPO)によって独立して運用される二元的なシステムが採用されていました。

旧制度下では、ジェネリック医薬品がTFDAから薬事承認を取得し、市場での販売を開始した後に、初めて先発医薬品メーカーが特許権侵害訴訟を提起するという事後的な紛争解決が一般的でした。先発メーカーにとっては回復困難な損害が発生するリスクがあり、ジェネリックメーカーにとっても、販売後に巨額の損害賠償請求を受けるという法的安定性を欠く状況が続いていました。

こうした状況を変えたのが、米国との貿易投資枠組み協定(TIFA)や、環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)への加入を見据えた国際的な要請です。知的財産権の保護レベルを国際基準に引き上げるため、台湾立法院は民国106年(西暦2017年)末に薬事法(Pharmaceutical Affairs Act)の改正案を可決し、新たな章として第4章の1 西薬のパテントリンケージ(Chapter 4-1 Patent Linkage of Drugs)を新設しました。この改正法は民国108年(西暦2019年)8月20日に正式に施行され、台湾製薬業界における特許紛争の早期解決メカニズムとして機能し始めています。

参考:衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)公式ウェブサイト

台湾パテントリンケージ制度の全体像と核心的メカニズム

台湾パテントリンケージ制度の全体像と核心的メカニズム

台湾のパテントリンケージ制度は、主に4つの柱で構成されています。特許情報の登載ジェネリック医薬品申請時の声明販売承認の停止期間ジェネリック医薬品の市場独占権です。これらは相互に連動し、新薬メーカーとジェネリックメーカー双方の権利と利益のバランスを図るよう設計されています。

台湾版オレンジブック:特許情報の登載

制度の出発点となるのが、新薬に関する特許情報の行政庁への登録です。新薬の製造販売承認(許可証)を取得した製薬企業(新薬許可証所有者)は、その医薬品に関連する特許情報をTFDAに届け出る権利を有します。届け出られた情報は、TFDAが運営するオンラインプラットフォーム西薬専利連結登載システム(西藥專利連結登載系統)において公開されます。これは米国のオレンジブックに相当する公的なデータベースであり、後発参入者に対する警告としての機能を果たします。

すべての医薬品特許が登載できるわけではありません。薬事法は、登載可能な特許を厳格に限定しており、新薬許可証所有者は以下の区別を明確に理解しておく必要があります。

対象となる特許(登載可能)対象とならない特許(登載不可)
物質(Substance)医薬品の有効成分そのものに関する特許。新規化学物質(NCE)だけでなく、多形体(Polymorphs)や結晶形なども含まれます。製造方法(Process)製品そのものの分析だけでは侵害の有無を判断することが難しく、薬事承認審査の段階で行政庁が侵害判断を行うことになじまないため対象外となります。
組成物または配合(Composition or Formulation)有効成分を含む製剤の処方や組み合わせに関する特許。中間体や代謝物最終製品に含まれないものや、体内で生成されるものは通常対象外です。
医薬用途(Medical Use)承認された効能・効果(適応症)に対応する用途特許。包装容器など医薬品の有効性や安全性に直接関与しない技術は対象外です。

日本の実務家が特に注意すべき点は、製造方法(Process)に関する特許は登載の対象外であることです。製造方法特許のみで製品を保護している場合、パテントリンケージ制度による自動停止等の恩恵を受けることはできません。

特許情報の登載には極めて厳格な期限が設けられています。新薬許可証所有者は、許可証を受け取った翌日から45日以内に特許情報を登載しなければなりません。特許が許可証取得後に成立した場合は、特許公報の発行日(公告日)の翌日から45日以内となります。この期間を徒過した場合、その特許についてはパテントリンケージ制度に基づく保護を受ける権利を完全に喪失します。

参考:西薬専利連結登載システム(TFDA特設案内ページ)

台湾ジェネリック医薬品申請における4つの声明(P1-P4声明)

ジェネリック医薬品メーカーがTFDAに対して製造販売承認申請(ANDA)を行う際、申請者は登載された新薬の特許に関して、いずれかの声明(Declaration)を行うことが義務付けられています。声明の種類によって、その後の承認プロセスや承認時期が大きく異なります。

声明の種類声明の内容承認プロセスへの影響
パラグラフI(P1)当該新薬に関する特許情報が登載されていない。通常の薬事審査終了後、直ちに承認証が発行されます。
パラグラフII(P2)登載された特許権はすでに期間満了により消滅している。通常の薬事審査終了後、直ちに承認証が発行されます。
パラグラフIII(P3)登載された特許権は有効であるが、その存続期間満了後に承認証の発行を希望する。審査自体は進められますが、承認証の発行は特許期間満了日まで保留されます。
パラグラフIV(P4)登載された特許権は無効である、または申請するジェネリック医薬品は当該特許権を侵害していない。いわゆる特許への挑戦です。申請者は新薬メーカー等に通知を行い、特許紛争プロセスが開始されます。

最も重要なのがP4声明です。これを行う場合、申請者はその旨を、理由を付した書面をもって新薬許可証所有者および特許権者に通知しなければなりません。通知には、特許が無効であるか、あるいは侵害していないという主張の根拠となる詳細な事実と法的分析を含める必要があります。

台湾における12ヶ月間の承認発行停止期間(Stay Period)

新薬許可証所有者がジェネリックメーカーからP4声明の通知を受けた場合、通知を受け取った翌日から45日以内に、ジェネリックメーカーに対して特許権侵害訴訟を提起することができます。期間内に訴訟が提起され、その旨がTFDAに通知されると、TFDAはジェネリック医薬品の承認審査は継続するものの、承認証の発行(Release of Approval)を最大12ヶ月間停止します。

この12ヶ月の停止期間(Stay Period)こそが、パテントリンケージ制度の核心です。ジェネリック医薬品が市場に出る前に特許紛争を解決するための猶予期間として機能します。この期間内に裁判所において特許侵害であるという判決が確定した場合、TFDAは特許期間満了までジェネリック医薬品の承認を発行しません。逆に、特許が無効である、あるいは侵害していないという判決が出た場合、または12ヶ月が経過しても判決が出ない場合、TFDAはジェネリック医薬品の承認証を発行することができます。

台湾ジェネリック医薬品の市場独占権(Market Exclusivity)

この制度は新薬メーカーを保護する一方で、特許無効化に成功したジェネリックメーカーに対するインセンティブも用意しています。最初にP4声明を行い、かつ申請資料を最も早く完備したジェネリック医薬品申請者が、①12ヶ月の停止期間内に侵害確定判決が出なかった場合、または②非侵害もしくは特許無効の判決が確定した場合に、そのジェネリック医薬品には、実際に販売を開始した日を起算点とする12ヶ月間の市場独占販売期間が付与されます(薬事法第48条の16)。この期間中、TFDAは他のジェネリック医薬品メーカーに対する承認証の発行を保留します。

この独占期間中、TFDAは他のジェネリック医薬品メーカーに対する承認証の発行を保留します。リスクを負って特許に挑戦した最初のジェネリック企業は、先行者利益を享受し、開発コストや訴訟コストを回収することが可能となります。日本の制度にはこのようなジェネリック独占期間は存在しないため、台湾市場においては、日本市場以上にジェネリックメーカーが攻撃的な特許戦略をとってくる可能性が高いと言えます。

日本と台湾の法制度比較:制度的相違点

日本の製薬企業の法務担当者にとって、台湾の制度を理解する上で最も有効なのは、日本の現行制度との比較です。日台の制度は後発品の承認と特許権の調整という目的は共通していますが、その法的拘束力と運用メカニズムには決定的な違いが存在します。

比較項目日本(通知に基づく調整)台湾(パテントリンケージ制度)
法的根拠厚生労働省医政局経済課長通知等(行政指導ベース)薬事法(第4章の1)に基づく法律事項
特許情報の公開特定のデータベースはない(添付文書等で確認)西薬専利連結登載システム(公式DB)への登載が必須
特許と承認の連携事実上の連携(パテント・クリアランス)。特許期間中は原則承認されないが、自動停止規定はない。完全な法的連携。訴訟提起により承認発行が自動的に最大12ヶ月停止される。
調整対象の特許物質、用途、製剤、製法など幅広く考慮される。物質、組成物、用途に限定。製造方法(製法)は対象外。
ジェネリックへのインセンティブ特になし(先発ジェネリックとしての薬価メリット程度)。12ヶ月間の市場独占販売権が付与される。
紛争解決のタイミング承認前後。承認後も薬価収載までの間に調整が行われることが多い。承認前(上市前)に解決を図るメカニズムが制度化されている。

日本の制度における最大の特徴は、厚生労働省の通知に基づく運用である点です。日本では、後発医薬品の承認申請時に、先発医薬品の特許権を侵害しないことの確認が求められますが、これは侵害訴訟が提起されたら承認を自動的に止めるという法的拘束力を持つものではありません。実務上は、特許権の存続期間中は承認を行わない、あるいは承認しても薬価収載を行わないという調整が図られますが、これはあくまで行政庁の裁量と当事者間の調整に委ねられる部分が大きいと言えます。

一方、台湾の制度は自動的(Automatic)かつ強制的(Mandatory)です。新薬メーカーが所定の手続き(45日以内の提訴)を行えば、TFDAは法律に基づき承認証の発行を止めなければなりません。行政庁に裁量の余地はなく、司法判断が出るまで、あるいは12ヶ月が経過するまで、市場参入は物理的に不可能となります。これは新薬メーカーにとって極めて強力な防御手段となります。

日本では、後発医薬品メーカーが承認申請を行った段階で、先発メーカーにその事実が通知される公式な仕組みはありません(販売承認取得後に把握するのが一般的)。しかし台湾では、P4声明を行ったジェネリックメーカーには、先発メーカーへの通知義務があります。先発メーカーは自社の特許が挑戦されていることを早期に、かつ確実に把握でき、十分な準備期間を持って訴訟対応に当たることができます。この透明性の高さは、台湾制度の大きな特徴です。

台湾における重要判例と実務への影響

台湾における重要判例と実務への影響

2019年の制度施行以降、いくつかの重要な法的判断が下され、実務の指針が形成されてきました。ここでは特に重要な2つの事例、すなわち制度導入後初の侵害訴訟判決と、2023年に下された新薬の定義に関する最高行政裁判所の判決を取り上げます。

台湾パテントリンケージ制度導入後の初の特許侵害訴訟:MSD対中国化学製薬事件

台湾におけるパテントリンケージ制度に基づく最初の判決として注目されたのが、米メルク・シャープ・アンド・ドーム(MSD)社と台湾のジェネリック大手、中国化学製薬(CCPC)との間の訴訟です(智慧財産法院 民国109年度民専訴字第46号判決(なお、同裁判所は2021年7月に智慧財産及商業法院へ改組))。本件では、MSDの高脂血症治療薬Ezetrol(一般名エゼチミブ)に対し、CCPCがP4声明を行いました。MSDはこれを受けて提訴しました。裁判所は、CCPCのジェネリック医薬品がMSDの特許(第I337083号)の請求項の範囲に含まれる(均等論を含む)として、特許権侵害を認定しました。

この判決は、制度の実効性に関して二つの重要な示唆を与えています。第一に、審理の迅速性です。訴訟提起から第一審判決まで約10ヶ月という短期間で結審しました。パテントリンケージ制度における承認停止期間は12ヶ月ですが、台湾の知的財産裁判所はこの期間内に司法判断を下す能力があることを証明しました。新薬メーカーにとっては12ヶ月以内に勝訴判決を得て、ジェネリック参入を恒久的に阻止できる可能性が高いことを意味し、ジェネリックメーカーにとっては引き延ばし戦術は通用しないことを示しています。

第二に、差止請求の法的根拠が明確化されました。被告側は、当時まだ特許法にパテントリンケージ訴訟の明文規定が完全には整備されていなかったことを理由に、MSDには訴えの利益がないと主張しました。裁判所は、パテントリンケージ制度が存在する以上、特許権者には予防的な差止請求を行う権利があると認め、現行特許法第96条に基づき侵害予防請求を認めました。なお、本件審理後、2022年4月に特許法が改正され、第60条の1が新設されました。同条項はパテントリンケージ訴訟における特許権者の訴権の法的根拠を明文化したものであり、現行実務上はこの条文が直接の根拠となっています。

台湾における新用量は新薬か?:2023年最高行政裁判所判決

制度運用開始から数年を経て、パテントリンケージ制度の適用対象となる新薬の範囲について、日本企業にとって極めて影響の大きい司法判断が下されました。台湾最高行政裁判所は、2023年11月から12月にかけて一連の判決を下しました。台北高等行政裁判所で敗訴していたMSDとAllerganが提起した上告は棄却され、一方、同裁判所で勝訴していたNovartisとCIMA LABSについては衛生福利部の上告が認められ、各社の一審勝訴が覆されました。結果として全4件において、「新用量医薬品は薬事法第7条の新薬に該当しない」との判断が確定しました。

争点となったのは、新用量(新しい投与量)の医薬品が、パテントリンケージ制度における新薬に該当するか否かでした。TFDAは当初、一部の製薬会社が登録した新用量医薬品の特許情報を、これらは薬事法第7条に規定される新薬(新しい成分を含むもの)には該当しないとして、登録を取り消す処分を行いました。製薬会社側は、新用量であっても臨床試験を経て承認されたものであり、実質的には新薬として保護されるべきだと主張して提訴しました。下級審では判断が分かれていましたが、最高行政裁判所は最終的にTFDAの判断を支持しました。

判決の要旨は、成分が従来と変わらず、用量を変更しただけの医薬品は、薬事法第7条で定義される新薬には当たらないというものです。裁判所は、パテントリンケージ制度の適用範囲を拡大するか否かは立法政策の問題であり、行政庁や裁判所が解釈で広げるべきではないという厳格な姿勢を示しました。この判決は、日本企業にとって重大な意味を持ちます。既存の有効成分を用いた用法・用量の変更や、剤形追加などのライフサイクルマネジメント(LCM)戦略によって開発された医薬品については、台湾ではパテントリンケージ制度による手厚い保護(自動停止期間等)が受けられない可能性が高いということです。これらの医薬品については、パテントリンケージ以外の手段、例えば通常の特許侵害訴訟や仮処分申請によって権利行使を行う必要があり、戦略の根本的な見直しが迫られます。

日本企業への戦略的提言と実務対応

以上の制度内容と最新の判例動向を踏まえ、台湾市場における日本企業の法務・知財戦略として、具体的にどのような対応をとるべきかについて提言します。

特許情報登載の徹底と期限管理の厳格化

新薬承認取得後45日以内という期限は絶対であり、これを逃すと制度利用権を失います。特に、台湾の代理人を通じて承認申請を行う場合、本国(日本)の知財部門と台湾の現地代理人との間で情報の連携が遅れ、期限を徒過するリスクがあります。承認取得前からどの特許(物質、組成物、用途)を登載するかを選定し、日本の知財部、薬事部、そして台湾の現地代理人の間で即座に登載申請ができるフローを構築することが不可欠です。製造方法特許は登載できないため、これに依存している製品については、ノウハウ管理による秘匿化か、別の権利行使手段(証拠保全等)の準備を進める必要があります。

P4通知に対する即応体制の構築

P4声明の通知を受けた場合、45日以内に提訴しなければ12ヶ月の停止期間という恩恵を受けられません。この45日間で、訴状を作成し、証拠を揃え、台湾の裁判所に提訴するのは、事前の準備がなければ不可能です。台湾のジェネリックメーカーは、欧米市場での経験も豊富で、アグレッシブに特許無効の論理を構築してきます。通知を受けてから特許の有効性を再検討するのでは遅すぎます。事前に想定される無効理由を洗い出し、対抗策(訂正審判の準備や反論ロジックの構築)を準備しておくことが求められます。

台湾公平交易法(競争法)リスクへの配慮

特許紛争において、新薬メーカーがジェネリックメーカーに金銭を支払って参入を遅らせるリバースペイメント(逆支払)は、台湾の公平交易委員会(Fair Trade Commission、日本の公正取引委員会に相当)によって厳しく監視されています。米国と同様、パテントリンケージ制度下での和解は、競争法違反のリスクと隣り合わせです。紛争解決の手段として和解を選択する場合、それが市場独占の不当な延長とみなされないよう、慎重な制度設計が求められます。

ライフサイクルマネジメント(LCM)戦略の再考

前述の最高行政裁判所判決により、新用量医薬品などはパテントリンケージの対象外となることが確定しました。自社が台湾で投入しようとしている製品が、台湾薬事法上の新薬として扱われるのか、あるいは新用量・新剤形等のカテゴリーになるのかを事前に正確に把握し、後者の場合はパテントリンケージに頼らない別の特許防衛戦略(早期の警告書送付や仮処分による差止請求など)を構築する必要があります。

まとめ

台湾のパテントリンケージ制度は、新薬メーカーにとっては特許権の実効性を高める強力な武器となる一方で、手続きの厳格さや新薬定義の限定的な解釈など、落とし穴も存在します。特に、自動停止期間(Stay)の活用やジェネリックの独占期間(Exclusivity)への対抗策は、従来の日本国内での実務とは異なるスピード感と戦略的判断を要求します。この制度は、単に法律を知っていれば対応できるというものではありません。薬事規制(Regulatory)と知的財産法(IP Law)の交差点にある複雑な問題を、台湾特有の法解釈や裁判実務に照らして解決する高度な専門性が求められます。

モノリス法律事務所は、IT・知財分野における高度な専門性を有し、台湾の法律事務所である椽智商務科技法律事務所と強固な提携関係を築いています。椽智商務科技法律事務所には、日台双方の法制度と言語に精通した専門家が在籍しています。今回解説したパテントリンケージ制度に基づく特許情報の登載業務から、P4声明への対応、侵害訴訟の代理、現地での法人設立やビザ取得に至るまで、台湾でのビジネス展開に必要なあらゆる局面において、両事務所が連携しシームレスにサポートいたします。台湾市場での成功を守るため、ぜひ我々の専門知識をご活用ください。

監修

河瀬 季

Toki Kawase

IT企業経営の経験を持つエンジニア出身の弁護士。東大院修了後、モノリス法律事務所を開設。上場企業からスタートアップまで顧問弁護士やCLOとして経営を支援する。特に台湾法務に精通し、専門チームを率いて現地法人設立から労務、知財戦略分野で日本企業の台湾進出を多角的にサポートしている。

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