台湾での商標登録:出願から登録までの流れと早期審査制度
日本企業にとって台湾は、地理的な近接性や歴史的な背景から親和性が高く、重要なビジネスパートナーです。エレクトロニクスや半導体産業を中心としたグローバルサプライチェーンの要衝でもあります。多くの日本企業が台湾市場への進出や台湾企業との提携を進めていますが、ビジネス展開にあたって最初に取り組むべき課題の一つが商標権の確保です。
ブランドを守り、模倣品や悪意ある第三者による冒認出願のリスクを回避するためには、現地の法制度を正確に理解し、迅速かつ戦略的に権利化を行う必要があります。しかし台湾は国際的な商標登録システムであるマドリッドプロトコルに加盟していないため、日本企業が台湾で商標権を取得するには独自の直接出願というプロセスを経なければなりません。
また台湾では2024年5月1日より、商標登録の審査期間を大幅に短縮する新しい早期審査制度が導入され、権利化のスピード競争が新たなフェーズに入りました。
本記事では台湾における商標登録の基本的な流れから、最新の早期審査制度の詳細、日本法との重要な差異、ITビジネスにも関連する最新の裁判例に至るまで網羅的に解説します。
目次
台湾におけるマドリッドプロトコル非加盟と直接出願の戦略的重要性
台湾独自の国際的地位と出願ルートの制約
日本企業が海外で商標登録を行う際、世界知的所有権機関(WIPO)を通じたマドリッドプロトコルに基づく国際出願を利用するのが一般的です。一つの出願手続きで複数の加盟国を指定でき、管理を一元化できる利便性は、グローバル展開を行う企業にとって大きなメリットがあります。しかし台湾はこのマドリッドプロトコルに加盟していません。これは台湾の特殊な国際政治的地位に起因するものであり、世界貿易機関(WTO)には加盟しているものの、国連機関であるWIPOが管轄する条約体系には参加できないという事情があります。
したがって日本企業が台湾で商標権を取得するためには、例外なく台湾経済部知的財産局(TIPO)に対して直接出願手続きを行わなければなりません。これは日本の特許庁に相当する機関へ、現地の言語(繁体字中国語)で作成された書類を提出することを意味します。この直接出願のプロセスは単なる言語の翻訳作業ではありません。台湾独自の審査基準や法解釈、そして現地の商習慣に即した戦略的な指定商品・役務の選定が求められます。日本企業にとっては見えないハードルとなることが少なくありません。
代理人選定と現地連携の不可欠性
台湾商標法第6条の規定により、台湾国内に住所や営業所を持たない外国の出願人は、原則として台湾国内に住所を有する商標代理人を選任して手続きを行う必要があります。直接出願においては代理人の質が登録の成否を大きく左右します。
たとえば指定商品・役務の記述において、単に日本の出願書類を翻訳しただけでは台湾の分類基準に合致せず、補正命令を受けるリスクがあります。また拒絶理由が通知された際に、台湾の審査基準や最新の判例に基づいた的確な意見書を提出できるかどうかは現地代理人の能力に依存します。そのため日本企業としては、単に手続きを代行するだけでなく、日台間の法制度の違いを理解しビジネスの文脈に即したアドバイスが可能な法律事務所や特許事務所との連携が不可欠となります。
台湾における商標登録出願の詳細プロセス

台湾の商標制度は日本と同様に先願主義を採用しています。これは商標を実際に使用しているかどうかに関わらず、最も早く出願手続きを行った者に権利が付与されるという原則です。台湾市場への進出を検討している段階から、速やかに出願準備を進めることが鉄則となります。
先行商標調査と戦略的検討
出願を行う前の段階で最も重要なのが先行商標の調査です。TIPOは公式の商標検索データベースを提供しており、誰でも無料で検索することが可能です。しかしこの調査は単に同一の文字列があるかを確認するだけでは不十分です。
台湾の審査では商標の外観、称呼(読み方)、観念(意味)の類似性が総合的に判断されます。特に注意が必要なのは日本語の商標が台湾でどのように認識されるかという点です。日本語の漢字はそのまま繁体字として読める場合もあれば、意味が異なる場合もあります。またカタカナやひらがなの商標であっても、それに類似する発音を持つ漢字の商標が存在すれば類似と判断される可能性があります。
出願書類の作成と提出
出願に必要な主要な情報は、出願人の氏名・名称、住所、国籍、商標見本、および指定商品・役務のリストです。台湾も日本と同様にニース協定に基づく国際分類を採用しており、1類から45類までの区分に従って商品・役務を指定します。また1つの出願で複数の区分を指定する多区分一出願も可能です。
特筆すべき台湾実務の特徴として、出願における委任状の手続きの簡便さが挙げられます。中国本土や一部のASEAN諸国への出願では、委任状に対して公証人による公証や大使館・領事館による認証が求められることが多く、手続きの遅延やコスト増の要因となります。しかし台湾では委任状の公証や認証は原則として不要です。単純に署名された委任状の提出で足ります。さらに委任状は出願時に必須ではなく、出願日から3ヶ月以内に追完することが認められています。これにより緊急に権利確保が必要な場合、委任状の原本到着を待たずに手続きを開始できるという実務上の大きなメリットがあります。
方式審査と実体審査の二段階プロセス
出願書類が提出されるとまずTIPOにおいて方式審査が行われます。ここでは願書の記載事項に不備がないか、手数料が納付されているか、指定商品・役務の記載が明確かといった形式的な要件が確認されます。方式審査を通過すると審査官による実体審査へと進みます。実体審査では商標法に基づきその商標が登録されるべきかどうかが判断されます。主な審査項目は絶対的拒絶理由と相対的拒絶理由の2点です。
絶対的拒絶理由は商標自体が持つ性質に関する審査です。その商標に識別力があるかどうかが問われます。商品の普通名称、品質や産地を単に記述した表示、ありふれた形状などは原則として登録されません。
相対的拒絶理由は他人の権利との関係に関する審査です。すでに登録されている、あるいは先に出願された他人の商標と同一または類似しており、かつ指定商品・役務も同一または類似している場合、混同を生じるおそれがあるとして拒絶されます。
登録査定と公告、異議申立
審査の結果、拒絶理由が見当たらない場合、審査官は登録査定を発行します。出願人はこの通知を受け取ってから2ヶ月以内に登録料を納付する必要があります。登録料の納付が確認されると商標権の設定登録がなされ、商標公報に掲載されます。
商標権の効力はこの登録日から発生しますが、公報掲載日から3ヶ月間は異議申立期間となります。この期間中、第三者は誰でも当該商標登録に対して異議を申し立てることができます。日本企業が台湾で商標ウォッチングを行う場合、この公告期間中のチェックが重要となります。
商標権の存続期間は登録日から10年間です。10年ごとに更新申請を行うことで半永久的に権利を維持することができます。更新申請は存続期間満了の6ヶ月前から行うことができ、期間満了後であっても6ヶ月以内であれば割増登録料を納付することで更新が可能です。
台湾における2024年導入の商標早期審査制度の全貌

ビジネスのデジタル化とグローバル化が加速する中、商標権取得までのリードタイム短縮は企業にとって喫緊の課題です。通常、台湾での商標審査には出願から最初の通知まで約5〜7ヶ月、登録完了までには6〜8ヶ月程度を要します。これは国際的に見ても決して遅い方ではありませんが、新製品の発表や越境ECでの販売開始を控えた企業にとっては数ヶ月の待機期間がリスクとなる場合があります。こうしたニーズに応えるため、TIPOは2024年5月1日より新しい商標早期審査制度の運用を開始しました。
制度の対象となる緊急性の要件
この早期審査制度は単に追加料金を払えば誰でも利用できるものではありません。権利を即座に取得する必要性がある場合に限定されており、申請には具体的な事実の説明と証拠の提出が求められます。
類型1として、出願した商標を指定した全ての商品または役務について、台湾国内ですでに実際に使用している場合、あるいは使用の準備が相当程度進んでいる場合が対象となります。類型2として、指定商品・役務の一部についてのみ使用または使用準備している状態であっても、商業上の必要性や緊急性が認められる場合には早期審査の対象となります。
TIPOが定義する緊急性とは、第三者が無断で当該出願商標を使用している事実がある場合、第三者から商標侵害の警告を受けた場合、第三者から当該商標に関するライセンス契約の要請を受けている場合、当該商標を使用した商品の販売計画があり販売代理店との契約が存在する場合、見本市や展覧会への出展が計画されており関連資料が存在する場合などを指します。
申請手続きとコスト、期待される効果
早期審査を希望する場合、通常の出願手続きとは別に、出願後かつ最初の審査通知が発せられる前に申請を行う必要があります。費用については通常の出願料に加え、1区分につき6,000台湾ドルの追加手数料が必要です。この料金設定は受益者負担の原則に基づいており、早期審査のためにリソースを割くコストを申請者が負担することで通常出願の審査遅延を防ぐ狙いがあります。
審査スピードについては、早期審査が認められた場合、TIPOは申請受理から2ヶ月以内に一次審査通知を発行します。さらに出願人が審査通知に応答した後、原則として15営業日以内に最終的な決定が下されます。これによりスムーズにいけば出願から3〜4ヶ月程度での権利化が可能となり、通常審査と比較して数ヶ月単位での期間短縮が見込まれます。
従来の快軌(Fast-Track)との決定的な違い
台湾には以前から快軌と呼ばれる審査円滑化の仕組みが存在していましたが、今回導入された早期審査とは明確に区別して理解する必要があります。快軌は無料で利用でき、指定商品・役務を電子出願システムの標準リストから選択することが要件となります。効果としては審査着手が通常より1〜2ヶ月早まる程度です。一方、早期審査は有料(6,000台湾ドル/区分)であり、権利取得の緊急性および使用の事実・準備の立証が要件となります。効果としては一次通知まで2ヶ月以内、応答後15営業日以内に処分が下されます。
快軌はあくまで定型的な処理による効率化であるのに対し、早期審査は具体的なビジネス上の必要性に基づいて審査の優先順位を劇的に引き上げる制度です。IT企業などが新サービスをローンチする直前や、模倣品対策で急いで権利を行使したい場合には、コストをかけてでも早期審査を選択する戦略的価値があります。
台湾と日本の商標実務との比較:重要な4つの法的差異
台湾の商標法は歴史的に日本の商標法の影響を受けており、多くの共通点を持っています。しかし実務の運用詳細においては看過できない重要な差異が存在し、日本と同じ感覚で手続きを進めると予期せぬ拒絶や権利範囲の制限を受けるリスクがあります。
コンセント制度(同意書制度)の運用と公益性の壁
日本では2024年4月1日の改正商標法施行により、先行登録商標の権利者の同意があれば類似商標であっても併存登録を認めるコンセント制度が導入されました。しかし日本の制度では同意書があってもなお混同を生ずるおそれが残る場合は登録が認められないという留保がついており、審査基準も現在蓄積されつつある段階です。
一方、台湾では以前より商標法第30条第1項第10号ただし書きにおいて、先行商標権者の同意による登録が明文で認められています。台湾はコンセント制度の運用において日本よりも長い歴史を持っていますが、その実務運用は決して緩やかではありません。
最大の特徴は「明らかに不当」でないことが要件とされている点です。台湾の審査実務では、たとえ当事者間で合意形成がなされ同意書が提出されたとしても、TIPOの審査官が「この両商標が市場に併存すれば一般消費者に誤認混同を与える可能性が高い」と判断した場合、公益的見地から登録は拒絶されます。両商標が同一であり指定商品も同一であるようなケースでは、同意書の効果はほとんど認められません。
権利不要求(ディスクレーマー)制度の厳格な運用
台湾の商標実務において日本企業が最も戸惑う点の一つが権利不要求の厳格さです。これは商標全体としては識別力を有していても、その構成要素の一部に識別力のない文字や図形が含まれている場合、その部分については独占的な権利を主張しない旨を明示的に宣言させる制度です(商標法第29条)。
たとえば「MONOLITH LAW」という商標を法律業務について出願する場合、「LAW」という単語はサービスの普通名称であり誰でも使用できるべき言葉です。日本では識別力のない部分は当然に権利が及ばないものとして解釈される傾向があり、出願時に特段の手続きを求められないことが多いです。しかし台湾ではTIPOから補正指令が出され、「LAW」については権利不要求を宣言せよと求められます。これに応じない場合、登録自体が拒絶されます。
2023年には権利不要求審査基準が改訂され、単なる記述的な語句だけでなく、ありふれたスローガン、単純な数字、年号、国名、さらには一般的すぎる図形などもディスクレーマーの対象となることが明確化されました。
不使用取消審判における使用の立証責任
商標登録後、正当な理由なく3年以上継続して商標を使用していない場合、第三者からの請求により商標登録が取り消される不使用取消審判制度は、日本にも台湾にも存在します。ここで決定的に重要なのは使用の立証責任が商標権者側にあるという点です。請求人が使用していないことを証明するのではなく、商標権者が使用していることを証明しなければなりません。台湾の実務ではこの使用の証拠に対する要求レベルが非常に高いことで知られています。
使用の態様として登録された商標と社会通念上同一と認められる形での使用が必要です。たとえば登録商標は漢字だが実際の商品はアルファベット表記のみで販売している場合、不使用と判断されるリスクがあります。証拠の質として台湾域内で商業的に流通したことを示す客観的な証拠が必要です。社内資料や単なる商品写真は証拠能力が低く、日付と商標、商品が明記された請求書、広告、輸出入許可証、台湾の店舗での販売実績などが求められます。
越境ECの落とし穴として、日本から台湾へ越境ECで商品を販売している場合、単にウェブサイトが台湾から閲覧できるだけでは不十分とされることがあります。台湾ドルでの決済が可能であること、台湾向けの配送ポリシーが明記されていること、実際に台湾の住所へ発送された配送伝票の控えなど、台湾市場に向けた販売意思と実績を示す具体的な証拠を常に保存しておく体制が必要です。
商標の使用意思の確認
日本の商標法では出願時において商標の使用意思は推定されますが、台湾では特定の状況下でより具体的な説明を求められることがあります。特に一つの出願で多岐にわたる区分を指定する場合や、小売役務において多種多様な商品を列挙する場合、TIPOは防衛的な出願ではないかという疑念を持ち、使用計画書や事業証明書の提出を求めることがあります。
台湾における最新判例から読み解く商標実務のトレンド

台湾の知的財産裁判所や最高行政法院の判決は、TIPOの審査基準や実務運用に直接影響を与えます。近年、デジタルプラットフォームや著名商標の保護に関する重要な判決が相次いでおり、これらは日本企業にとっても重要な示唆を含んでいます。
Amazon Alexa事件:デジタルサービスと著名性の越境認定
台湾では「Amazon Alexa」に関する商標を巡る異議申立事件が実際に争われており、複数の審級を経て最終的にアマゾン側の主張が認められる判決が出されています。この事件は、台湾における商標の「類似性」や「関連消費者による認知度(著名性)」の評価が行政審査および裁判でどのように扱われるかを示す重要な事例です。
事案の概要としては、アマゾンテクノロジーズ社が2017年12月1日に台湾で「Amazon Alexa」を象徴する図形商標を登録したのに対し、台湾の電子商取引会社(WanPay Digital Marketing Co., Ltd.)が二重チェックマークを丸で囲んだ図形商標を出願・登録したものです。アマゾン側はこれが自社の商標と類似し、誤認混同のおそれがあるとして異議申立を行いました。
初審に相当する知的財産及び商事裁判所(IPCC)では、両者の商標について視覚的印象や要素の差異に着目し、類似性が低いとして特許庁および経済部の判断を覆す判決が出されました(111(2022)年度行商訴字第28号判決)。しかし、アマゾン側がこの判決を不服として上告した結果、最高行政法院(台湾の最上級行政裁判所)は知的財産及び商事裁判所判決を破棄し、審理を差し戻す判決(112(2023)年度上字第21号判決)を下しました。
最高行政法院は、両商標の構成要素全体を比較した上で、誤認混同のおそれについて再検討する必要があるとして、より慎重な審理を求めました。また、商標の関連消費者における認知度や商標使用の証拠も、誤認混同の判断要素として重要であるとの考え方が示されました。こうした判断要素には、商標自体の図形や色彩だけでなく、国内における使用状況やメディア露出、消費者の認識状況などが含まれています。
審理差戻し後の知的財産及び商事裁判所(再審理)では、最高行政法院の見解を踏まえ、最終的にアマゾンテクノロジーズ社側の主張が認められる判決が下されました(113(2024)年度行商更一字第1号判決)。この判決は、商標間の類似性と関連消費者の認知度が誤認混同のおそれの判断において重要な要素であることを示しています。
このように、台湾における商標紛争では単純な図形比較にとどまらず、関連消費者に対する商標の認知状況や実際の利用実態に関する証拠が判断に影響を与えることが明確になっています。企業が台湾で商標出願や権利行使を行う際には、現地消費者への認知度や使用証拠の提示が重要な戦略要素となります。
誠品(Eslite)事件:異業種への防衛と希釈化防止
誠品書店は台湾を代表する文化的な書店チェーンであり、そのブランド「誠品」は台湾国内で極めて高い知名度を有しています。この「誠品」という商標を無関係な引越業者が無断で使用しました。引越業者は書店と引越しでは役務が全く異なり競合しないため消費者が混同することはないと主張しました。知的財産裁判所は2023年の判決において誠品側の主張を全面的に認め、引越業者に対して商標の使用差止と多額の損害賠償を命じました。
この判決の最大のポイントは単なる混同のおそれを超えて、著名商標の識別力や名声の減殺(希釈化)が認められた点です。裁判所は「誠品」というブランドが長年の努力によって築き上げた独特の文化的イメージが、無関係かつ質の保証されない引越サービスに使用されることでその独自性が薄まりブランド価値が毀損されると判断しました。この判決は著名なブランドを持つ日本企業にとって、異業種からのフリーライドを防ぐための強力な根拠となります。
台湾のIT・デジタル分野における特有の留意点
近年、メタバース空間でのアバター用ファッションやNFTに関連する商標出願が増加しています。TIPOはこれらの新しいデジタル商品について従来の被服(第25類)ではなく、ダウンロード可能な画像ファイル(第9類)やオンラインでのエンターテインメント提供(第41類)として分類する傾向を強めています。日本企業がデジタルグッズを台湾市場に展開する場合、物理的な商品区分だけでなくデジタルデータとしての区分を漏れなく指定する必要があります。
台湾の消費者はスマートフォンアプリの利用率が高く、App StoreやGoogle Playにおける商標権侵害トラブルも頻発しています。台湾で商標権を取得していれば、これらのプラットフォームに対して侵害アプリの削除申請を行う際にTIPO発行の登録証が強力な根拠となります。逆に商標権を持っていない場合、現地で他者に商標を取られてしまうと自社のアプリがストアから削除されるという致命的なリスクに直面します。この点からもアプリリリース前の早期出願および必要に応じた早期審査の活用が強く推奨されます。
まとめ
台湾における商標登録はマドリッドプロトコルの利用不可という手続上の制約がある一方で、2024年に開始された早期審査制度の活用や委任状認証の不要化など、戦略的に利用できるメリットも多く存在します。直接出願の必須化と代理人の質について、台湾はマドプロ非加盟のため信頼できる現地代理人を通じた直接出願が必須です。単なる手続き代行ではなく日台の法制度の差異を理解した専門家との連携が成功の鍵です。
スピード戦略としての早期審査について、2024年5月から始まった早期審査制度を利用すれば最短3〜4ヶ月での権利化が可能です。模倣品対策、ライセンス交渉、新製品ローンチなどビジネスのスピードに合わせて追加費用を投資する価値は十分にあります。
日本法との差異への精通について、コンセント制度における公益性の審査や厳格なディスクレーマー実務、不使用取消審判における証拠保存の重要性など台湾特有の運用を理解した出願戦略が求められます。さらに、デジタル時代の著名性活用について、Amazon Alexa判決が示すように物理的な拠点がなくともデジタル上の認知度が法的保護の根拠となり得ます。
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